祈願・祈祷

祈祷と祈願とでは、そのニュアンスに若干の違いがあります。祈祷は祈祷会に結びつき、宗教的儀礼を、これに対して、祈願はある目的がかなうように神仏に祈り願う事、願かけを連想させます。

即ち、祈祷は主祭者(寺、神社)側からみた法要儀式のことを表し、祈願は祈祷会に心に願いを込めて参加される信者側からの祈りを表しているようです。

当寺の観音堂には当国三十三観音の七番観音さまが祭られております。

観音さまは、観音経の一節に

衆生被困厄(しゅじょうひこんやく)
無量苦逼身(むりょうくひっしん)
観音妙智力(かんのんみょうちりょく)
能救世間苦(のうぐせけんく)

とありまうように、

---私たちが困難な目にあい、はかり知れない苦しみにせめられても、観音様のすぐれた力が、世間の苦しみを救ってくれるであろう---という観音さまの御利益を頂くご祈祷を致します。

 

 

当国七番観音

また、堂内には十三仏さまもお祭りされております。法要本尊としての十三仏さまと一代守本尊は次の通りに割り当てられております。

十三仏 法要本尊 一代守本尊
不動明王   ふどうみょうおう 初七日 酉(とり)年生
釈迦如来   しゃかにょらい 二七日
文殊菩薩   もんじゅぼさつ 三七日 卯(う)年生
普賢菩薩   ふげんぼさつ 四七日 辰(たつ)、巳(み)年生
地蔵菩薩   じぞうぼさつ 五七日
弥勒菩薩   みろくぼさつ 六七日
薬師如来   やくしにょらい 七七日
観音菩薩   かんおんぼさつ 百か日 子(ね)年生
勢至菩薩   せいしぼさつ 一周忌 午(うま)年生
阿弥陀如来   あみだにょらい 三回忌 戌(いぬ)、亥(い)年
阿閦如来   あしゅくにょらい 七回忌
大日如来   だいにちにょらい 十三回忌 未(ひつじ)、申(さる)年生
虚空蔵菩薩   こくぞうぼさつ 三十三回忌 丑(うし)、寅(とら)年生

一代守本尊 (いちだいまもりほんぞん)

※一代守本尊 (いちだいまもりほんぞん)とは生まれた年(十二支)によって、その人の一生涯の守り本尊は決まっているのです。数ある仏様の中で自分の守本尊(守護仏)を知って、そのご本尊にも併せてお祈りすればご利益も増します。

観音堂内の十三仏
観音堂内の十三仏

八耳聰聖徳太子像

また、堂内には八耳聰(やつみみそう)聖徳太子像が祭られております。

この尊像は、当寺開創以来の寺宝であり、恐山の霊場を開いた慈覚大師が陸奥地方を巡り、教えを広めている途中の嘉祥三年(八五〇)に当寺に参籠して、一刀刻む毎に三礼にし、二尺三寸の尊像を彫ったと伝えられています。

聖徳太子(五七四~六二二)は 八人の訴願を同時に聴受することが出来たと言われております。よって八耳聰太子の尊称があります。

その尊像は古来より耳の仏と称され、耳を患う病に霊験があると信仰されております。

穴石を借りて、二十一日間快方の祈願をし、成就の後、穴石一個を加えて奉納する習わしがあり、また、穴石を奉納すると呆けないとも言われ、このようにして奉納された千数百個の穴石が、数珠状にされ観音堂の南外壁に納められています。

八耳聰聖徳太子像
八耳聰聖徳太子像
奉納された穴石
奉納された穴石