水子供養

江戸時代後期の曹洞宗の僧侶、歌人、漢詩人、書家で有名な良寛(一七五八~一八三一年)さんは、子に死なれた親の心を、次のような歌に詠みました。

人の子の 遊ぶをみれば にはたづみ 流るる涙 とどめかねつも

※にはたづみ:「流るる」の枕詞。

意味は、「よその子が、楽しそうに遊んでいるのを見ると、亡き子が思い出されて、涙が溢れるように流れ出て、とめることができない」と、母親の切ない心情を詠んだのでし た。

 

境内の水子地蔵尊
境内の水子地蔵尊

世の中で、子に先立たれるほど悲しく、辛いことはありません。

いろいろな事情で、この世の光を見ることもなく逝った水子さん、生まれて間もなく逝った赤ちゃんを失った母親の嘆きもいかばかりかと存じます。

自分がお母さんじゃなかったなら、この世で幸せに生きていたかもしれないと考え、自らを責めることもあるでしょう。

しかし、赤ちゃんは、他の誰でもなく母親のあなたを選び、あなたのお腹に命を宿したのです。

たとえ、短い命であったとしても、親子としての強い絆で結ばれていたのです。

そればかりではありません。この世での命が短かったぶん、水子さん、赤ちゃんは、これからも永遠に親子としての絆を結びたい、お母さんにだけは、忘れられたくない、これからも母親の優しさに抱かれ、永久に一緒にいて、喜び、悲しみを共有したいと願っているのです。

その願いに応え、絆を更に深め、共に生きていきましょうと誓う祈りこそが、いわゆる「水子供養」なのです。

そのような供養は、あなたと水子さんを安らぎの世界に導き、あなたの心をより深く豊かにしてくれるでありましょう。

当寺では、水子供養は先ず本堂でお勤めし、境内に建立されている水子地蔵さんの前で、ご供養致します。