2月15日はお釈迦さまが亡くなられた日で、当寺でも涅槃図を掛けてご供養が行われました。
涅槃図の中央には北枕のお釈迦さまが伏しておられ、その周りには嘆き悲しむ弟子たち、天の神々、多くの動物たちが画かれています。お釈迦さまのお顔だけは安らかな、むしろ微笑んでいるように見受けられます。
お釈迦さまの最後の説法を元に作られた「遺教経」というお経の中に、「為すこと無(の)うして空しく死せば、後に悔いあることをいたさん」という箇所があります。「やるべきことをせずに空しい生き方をしていたのでは、この世からお別れする時に後悔しますよ」という意味です。
お釈迦さまは、人々の苦悩を救わんと全精力を傾け、この世でやるべき事は全てやり遂げたからこそ、あのような穏やかな表情をなさっているのだと思います。
ある国の諺に「生まれてくる時は、自分は泣いて生まれてくるが、周りの人たちは笑って祝福してくれる。死ぬ時は、自分は笑って、周りの人たちが嘆き悲しむような生き方をしなさい」というのがあります。正に、その通りだと思います。
その逆で、 「死ぬ時、自分が嘆き悲しみ、周りの人たちが、陰でこっそりと微笑み祝福する」。あまりにも悲しい生き方ですね。
少しでもお釈迦さまのお心に近づき、私たちも亡くなる時には、周りの人たちが悲しんでくれるような生き方を心掛けたいものであります。


