毎年、お盆の季節になると、本堂の裏手に夏スイセンの群生が咲きほこります。春にスイセンに似た大きな葉が伸びますが、夏になると枯れます。その枯れた箇所からラッパ状のピンクの花が咲きます。
お盆に咲く夏スイセンは、あたかも御先祖さまが花の形に身を変え、私たちに姿を見せてくれているかのようです。
亡き人は、いつもあなたのそばに居てあなたを見守って下さっているのです。
ある時は、花となって姿を見せることもありましょう。
ある時は、小鳥のさえずりとなって、声を聞かせることもありましょう。
ある時は、そよ風となって優しく愛撫することもありましょう。
ある時は、満天の星となって見守ることもありましょう。
ある時は、真っ白な雪となって包み込むこともありましょう。
亡き人は、いつもそばにいらっしゃるのです。
亡き人を思慕する優しい心が、その事に気づかせてくれるのです。



