法話集

2015/11/18
欲張りすぎた蚊(か)
カテゴリー:法話集

今年の大本山参拝旅行(10月26日~29日)の二日目の事であります。旅行先のホテルに宿泊したのですが、夜中にかゆみと「プーン、プーン」という蚊の音で目が覚めました。何とか我慢しようとしたのですが、相手は相当の数、とうとう我慢できず、電気を付けて、蚊の退治をしようとしたのでした。蚊は開いていた窓から侵入したようで、恐らく従業員が閉め忘れたのでしょう。

蚊を探し始めたのですが、部屋が明るいと、どこかに身を潜めるのか、なかなか見つけることができません。そのうち、何気なく足下の白いシーツに眼を落とした時、真っ赤な点状のシミがあるのに気が付きました。よく見ると、それは一匹の蚊で、飛べないでもがいていたのでした。よほど私の血が美味しかったのか、あまりにも欲が張っていたのか、お腹をパンパンにしていたのでした。

生きる上では、ほどほどの欲は必要です。しかし、度が過ぎて、欲張りすぎると身を滅ぼすと言われます。正に、その蚊は欲張りすぎて、身を滅ぼしてしまったのです。

江戸時代後期の禅僧良寛さんの俳句に「ほろ酔ひの 足もと軽し 春の風」というのがあります。私はこの歌の真意を「お酒を飲んでも飲まなくても、心はいつもほろ酔いの如くに広々として、小さな事には囚われず、身も心も軽やかにして、春風のような暖かい気持ちで過ごしましょう」と捉えております。

それにしても、お酒でもほどほどのほろ酔いで止めるというのはなかなか難しいものであります。私などは、飲むと「二日酔 足もと重し 次の朝」となってしまいます。お酒に限らず、何事も度を過ぎないように、ほどほどで暮らしたいものでありあます。