住職の徒然日記

2015/07/21
「アリガトオヨ」

日本で一番美しい言葉は、「ありがとう」という言葉ではないでしょうか。
お世話になった方に、心からの感謝の気持ちを笑顔で「ありがとう」と伝えたいものであります。

過日このような新聞記事が載っておりました。

ある町に、九十歳を超えたおばあさんが暮らしておりました。  隣には、おばあさんのホームドクターのお医者さん夫婦が住んでおりました。

おばあさんは、尊敬する先生に取り立ての新鮮な野菜を届けたりしておりました。  先生は先生で、「おばあちゃんは私の人生のお師匠さんさ」と言っておられました。

しかし、おばあさんも寄る年波には勝てず、先生の手厚い看護もむなしく息を引き取りました。  二週間後、あばあさんの娘さんが遺品を整理していたところ、遺言が出て参りました。

それは、粗末な厚紙に鉛筆でたどたどしく書かれた「センセイ、オクサン、アリガトオヨ」という文字でした。

読み書きの出来なかったおばあさんがいつ習ったのか。  カタカナで精一杯表現したお礼の言葉でした。

それを娘さんから見せてもらった先生は、ボロボロと涙を流して感激したそうです。
四十年間、医院を開いて来た先生にとって、遺言のお礼は初めて。  立派に表具して、診察室に掛けているそうです。

おばあさんは、お世話になった先生夫婦に、自分が出来る最大限の真心を「アリガトオヨ」と書き残したのです。

私たち人間社会は、言葉によって自分の考えや気持ちを相手に伝え、相手の言葉を通して意志の疎通を図ることが出来ます。

言葉一つによって、互いに心豊かになれるのです。

心から「ありがとう」と言える人に、また「ありがとう」と言われる人になりたいものであります。