今年も御先祖さまを迎えるかのように、本堂裏に夏スイセンの群生が咲いております。淡いピンク色の花は夏の暑さに一陣の涼を与えてくれます。
コロナ禍で何かとギスギスする昨今、せめて花の美しさに感動し、小鳥のさえずりにも耳を傾けたいものです。
長らく感染者ゼロの岩手県ではありましたが、とうとう感染者が出始めました。遅かれ早かれ、陽性者が出ることは時間の問題とは思っておりました。
感染者や勤め先を特定するのではなく、各自が十分に気を付けて感染防止に務めると共に、自らも陽性者であるかもと思い感染させないように、夏スイセンの花言葉の如く「深い思いやり」の行動をすることが一番大切なことであります。
感染者やその家族、あるいは勤め先等を誹謗・中傷したり、あるいは他県ナンバーの車や帰省者に嫌がらせするなどはもってのほかであります。
先の戦争中にみられた「隣組」等の地域住民組織が互いに監視し密告するよう仕組みは、現代の「自粛警察」や「同調圧力」に似通っていると思います。
過日の朝日新聞に下記の様な記事が載っておりました。
太平洋戦争末期の、ある日。宇都宮市内で、国民学校から友達と下校していたIさん(86)は、若い女性の2人連れを見つけた。
一人は、明るい色調の和服。特に目を引いたのが、ウェーブがかかった髪だ。きれいになでつけられて、光って見えた。
「パーマだ」。当時、男性は国民服、女性はもんぺ姿の人が多かった。少年たちは「ぜいたくだ、こらしめよう」と思い立ち、小石を投げつけたというのです。
子どもにも、そのような「戦争遂行」するうえでの思想統制が図られていたのです。
新型コロナウイルスも恐ろしいですが、そのような個人の自由や人権を無視したりする風潮がもっと恐ろしいと思います。ましてや、このような中での憲法九条や基本的人権を後退させるような改憲は決して許されるもんではありません。


