レトリーバーがたまらなく好きという愛犬家の為に「RETRIEVER」という雑誌があることを知りました。
この本を知ったきっかけは、当編集担当者からアンケート依頼があったからであります。
それは、犬の本を描いた著者に影響を与えた一冊の本と一作の映画に関するアンケートでありました。
私は本では、「金子みすゞの詩を生きる」酒井大岳著、映画では黒澤明監督の「赤ひげ」原作山本周五郎を掲げました。
大正末期にすぐれた作品を発表し、「若き童謡詩人の巨星」とまで賞賛された「金子みすゞ」は26才で夭逝しました。
「金子みすゞ」の詩で私が好きなものは、
大漁
朝やけ小やけだ
大漁だ
大ばいわしの
大漁だ
はまは祭りの
ようだけど
海のなかでは
何万の
いわしのとむらい
するだろう
わたしと小鳥とすずと
わたしが両手をひろげても
お空はちっともとべないが
とべる小鳥はわたしのように
地面をはやく走れない
わたしがからだをゆすっても
きれいな音はでないけど
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ
すずと、小鳥と、それからわたし
みんなちがって、みんないい
犬
うちのだりあのさいた日に
酒屋のクロは死にました
おもてであそぶわたしらを
いつでも おこるおばさんが
おろおろないておりました
その日、学校でそのことを
おもしろそうに、話してて
ふっとさみしくなりました
「RETRIEVER」の表紙
私が感銘した一冊
私の掲載記事